2025.08.24

和婚・神前式〜会食会まで、当日の流れを徹底解剖!


【完全ガイド】和婚・神前式〜会食会まで、当日の流れを徹底解剖!


 


富岡八幡宮,和婚,結婚式



 



厳かで、凛とした空気に包まれる日本の伝統的な結婚式「和婚・神前式」。


白無垢や紋付袴を身にまとい、神社の緑豊かな境内を歩む姿に、憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか。


一方で、チャペルでの挙式に比べて情報が少なく、「当日はどんな流れで進むの?」「挙式後の会食会はどんな雰囲気?」といった不安を感じやすいのも事実です。


でも、ご安心ください。


この記事では、そんな神前式の歴史的背景から、当日のタイムスケジュール、儀式の意味、そして和やかな会食会の流れまで、あなたの不安が期待に変わるよう、分かりやすく徹底解説します。



第一章:知っておきたい、神前式の歴史と意味


 


当日の流れを知る前に、まずは神前式がどのようにして生まれ、どんな意味が込められているのかを少しだけ学んでみましょう。背景を知ることで、当日の一つひとつの儀式がより深く、感動的なものになりますよ。


 


神前式の始まりは、皇室の御婚儀


 


現代に続く神前式の原型が生まれたのは、1900年(明治33年)のこと。のちの大正天皇である当時の皇太子殿下と、九条節子妃(のちの貞明皇后)の御婚儀が、宮中の賢所(かしこどころ)の神前で行われました。これを機に、東京大神宮が一般の人に向けた神前結婚式を創設し、全国へと広まりました。


 


神前式に込められた意味


 


神前式は、お二人の結婚を神様に報告し、ご加護を祈願するとともに、両家の縁を結び、固める「家と家との結びつき」を非常に大切に考えています。


 


第二章:【タイムスケジュール付き】神前式〜会食会 当日の流れを徹底解剖!


 


それでは、いよいよ当日の流れを見ていきましょう。ここでは、午前11時から挙式を開始し、その後、会食会を行うというモデルケースで、タイムスケジュールと各儀式の詳細を解説します。




 


【08:00】会場入り・お支度開始


 


新郎新婦は挙式の約3時間前に会場入り。新婦のヘアメイク・着付け(約2時間)、新郎の着付けと進みます。ご親族は、挙式の1時間前くらいに到着するのが一般的です。


 


【10:00】写真撮影


 


お支度が整ったら、挙式前に記念撮影を。お二人のポーズ写真や親族集合写真、境内でのロケーション撮影など、和婚ならではの美しい写真を残します。


 


【10:30】親族紹介


 


挙式の前に、両家の親族が一同に会して自己紹介を行います。この儀式を通じて、両家の絆が深まります。


 


【10:45】参進の儀(さんしんのぎ)


 


神職と巫女を先頭に、新郎新婦、親族の順で列になり、雅楽の音色が響く中を厳かに神殿へと歩きます。「花嫁行列」とも呼ばれる、神前式の象徴的なシーンです。


 


【11:00】挙式開始(所要時間:約30分)


 


神殿に入り、ここから神様への報告の儀式が始まります。




  • 入場・修祓の儀(しゅばつのぎ) 神殿に入場し、斎主(さいしゅ)と呼ばれる神職が、お祓いの言葉を述べ、大麻(おおぬさ)という道具で参列者全員の心身を清めます。




  • 祝詞奏上(のりとそうじょう) 斎主が神様に対し、二人が結婚したことを報告し、末永い幸せと両家の繁栄を祈る「祝詞(のりと)」を読み上げます。参列者は頭を下げて聞きます。




  • 三献の儀(さんこんのぎ) 「三三九度(さんさんくど)」として最もよく知られている儀式。小・中・大の3つの盃を使い、新郎新婦が交互にお神酒を酌み交わします。これにより、夫婦の永遠の契りを結びます。




  • 誓詞奏上(せいしそうじょう) 新郎が夫婦としての誓いを記した「誓詞(ちかいのことば)」を読み上げます。その後、新婦は自分の名前を読み上げ、夫婦の誓いを立てます。




  • 指輪交換の儀 元々は神前式にはありませんでしたが、現代では多くの式で取り入れられています。新郎から新婦へ、新婦から新郎へと指輪を交換します。




  • 玉串奉奠(たまぐしほうてん) 玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)に自分の心を乗せ、神様に捧げる儀式です。新郎新婦、両家の代表者が行います。作法は神職が教えてくれるのでご安心ください。(基本は「二礼二拍手一礼」です)




  • 巫女の舞(みこのまい) お二人の門出を祝い、神様の御心を和めるために、巫女が神楽舞を奉納します。雅な舞と音楽が、式をより一層荘厳なものにします。




  • 親族盃の儀(しんぞくはいのぎ) 両家の親族全員がお神酒を飲み干すことで、両家の固い結びつきを誓います。




  • 斎主挨拶・退場 斎主からお祝いの言葉をいただいた後、一同起立・一礼し、神殿から退場します。




【11:30】挙式結び・写真撮影


 


無事に挙式を終え、ほっと一息。緊張が解けた自然な表情で、スナップ写真を撮影する時間です。撮影後、会食会場へと移動します。白無垢から華やかな色打掛へ掛け替える(お色直し)場合は、この時間で行います。




 


【12:30】会食会 開宴(所要時間:約2時間〜2時間半)


 


挙式の厳かな雰囲気から一転、親しい親族と和やかな時間を過ごすのが会食会です。披露宴ほど形式ばらず、アットホームな雰囲気で進むのが特徴です。




  1. 新郎新婦入場・開宴の挨拶


    参加者からの拍手で迎えられ、新郎新婦が入場。新郎または新郎の父親から、集まっていただいたことへの感謝を込めたウェルカムスピーチを行います。




  2. 乾杯


    親族の代表者(伯父など)にお願いすることが多いです。乾杯の発声を合図に、祝宴がスタートします。




  3. 食事・歓談


    美味しいお料理を楽しみながら、両家の親族が言葉を交わす、和やかな時間です。新郎新婦も高砂に座りっぱなしではなく、ゲストの席を回って感謝を伝えたり、一緒に写真を撮ったりと、自由に過ごせます。




  4. アットホームな演出(例)


    プログラムを詰め込みすぎないのが会食会の良いところですが、ちょっとした演出を加えるとより思い出深くなります。




    • 新郎新婦によるプロフィール紹介: お互いをゲストに紹介し合うスタイルは、温かい笑いに包まれます。




    • 婚姻届の証人署名: 両家の父親にお願いし、全員の前で署名してもらうのは感動的なセレモニーです。




    • 和の共同作業: ケーキ入刀の代わりに、夫婦円満を願う「鏡開き」や、願いを込める「だるまの目入れ」なども人気です。




    • 両親への手紙・記念品贈呈: 普段は言えない感謝の気持ちを伝える、感動のクライマックスです。






  5. 結びの挨拶・お開き


    宴もたけなわとなったところで、まずは新郎がゲストへ感謝の気持ちと今後の抱負を述べます。そして最後に、新郎の父親が両家を代表して謝辞を述べ、会食会をお開きとします。




  6. お見送り


    会場の出口で、新郎新婦がゲスト一人ひとりにプチギフトなどを手渡しながら、感謝の言葉を伝えてお見送りします。




 


【15:00】すべて終了・着替え


 


ゲストを見送った後、お二人は控室に戻り、私服に着替えて一日が終了となります。お疲れ様でした!


 


第三章:神前式・会食会を成功させるための準備とポイント


 




  • 会場選び:神社内の会館で会食までできるのか、あるいは近隣の料亭やレストランへ移動する必要があるのか、動線も考えて会場を選びましょう。




  • 初穂料(はつほりょう):神社に納める挙式料のことです。相場は5万円~20万円程度。紅白の蝶結びの水引がついたのし袋に「御初穂料」と書いて納めます。




  • リハーサル:神社によっては、当日に簡単なリハーサルや説明の時間があります。不安な点は遠慮なく聞いておきましょう。




 


まとめ:伝統を知り、最高の門出を


 


神前式は、一つひとつの儀式に深い意味が込められた、日本の美しい伝統文化です。


そして、挙式後の会食会は、両家の絆を深めるための、かけがえのない温かい時間となります。


当日の流れを事前に知っておくことで、不安は解消され、落ち着いて一日を過ごせるはずです。そして、儀式の意味を噛み締めながら迎える一日は、お二人とご家族にとって、何倍も感動的で忘れられない思い出となるでしょう。


この記事が、あなたの素敵な和婚・神前式への第一歩となれば幸いです。


つばさ

神社挙式・和婚ウェディングプランナー。地元にある神社の御祭神を先祖に持つ家系に生まれ、神道と関わりを持って育つ。知識や経験を活かし年間400組以上のウェデイングをお手伝いしています。伊勢神宮・靖國神社の崇敬会にも所属。この記事では神社・和婚の素晴らしさを分かりやすく伝えて参ります。