【仏前式とは?】ご先祖様に誓う「縁」の結婚式。費用、流れ、メリットを徹底解説
結婚式のスタイルといえば、ウェディングドレスの「教会式」や、和装の「神前式」が一般的ですが、近年、「仏前式(ぶつぜんしき)」という選択肢が、大人なカップルの間で密かに注目されています。
「お寺で結婚式?お葬式のイメージがあるけど…」 「どんなことをするの?費用は?」 そんな疑問をお持ちの方へ。
仏前式は、派手な演出よりも「家と家のつながり」や「二人が出会えたご縁」を大切にする、日本古来の美しく厳かな挙式スタイルです。
この記事では、仏前式の意味や魅力、具体的な流れから費用相場まで、知っておきたい基礎知識を徹底解説します。
1. 仏前式とは?「来世まで結ばれる」深い意味
仏前式とは、その名の通り仏様とご先祖様の前で結婚を誓う挙式スタイルです。
根底にあるのは「縁(えにし)」の思想
仏教には「因縁(いんねん)」という教えがあります。
「二人が出会い、結婚するのは、前世からの深い因縁(結びつき)があったからこそ。そして、その縁はご先祖様の導きによるものである」と考えます。
そのため、神前式が「神様に結婚を報告する」のに対し、仏前式は「仏様とご先祖様に、二人が出会えた縁を感謝し、来世までの結びつきを誓う」という、非常にロマンチックで深い意味が込められています。
どこで挙げるの?
- 菩提寺(ぼだいじ):先祖代々のお墓があるお寺
- 有名な寺院:結婚式を受け入れている大きなお寺(築地本願寺など)
- 自宅:自宅の仏壇の前(現在は少なくなりましたが、本来の伝統的な形です)

2. 仏前式を選ぶ「3つのメリット」
あえて仏前式を選ぶカップルには、こんな理由があります。
メリット1:誰とも被らない、記憶に残る式になる
参列経験がある人が少ないため、ゲストに「初めて見た!」「厳かで感動した」と強い印象を残せます。お香の香りに包まれた静寂な空間は、他にはない特別な体験です。
メリット2:費用が比較的リーズナブル
教会式や神前式に比べ、費用が抑えられる傾向にあります。寺院への謝礼(お布施)という形になるため、相場は10万円〜25万円程度が目安です。豪華な装花や演出も不要なため、総額を抑えやすいのが特徴です。
メリット3:僧侶による「法話」が聞ける
式の最後に、司婚者である僧侶から、仏の教えに基づいた「結婚生活の心得」などを説く「法話(ほうわ)」があります。これが「心に響く」「身が引き締まる」と評判です。
3. ここは注意!仏前式のデメリット
「お葬式」のイメージを持つ人もいる
年配の方の中には「お寺=供養の場」というイメージが強く、結婚式を行うことに抵抗感を持つ方もいます。両親への事前の相談は必須です。
収容人数が少ない
本堂に入れる人数が限られる場合が多く、親族のみの参列になることが一般的です。
正座が辛い場合も
畳の上で正座をするスタイルの場合、足の悪いゲストや年配の方には負担になります。(※椅子を用意してくれる寺院も増えています)
4. 指輪交換の代わり?仏前式ならではの儀式
仏前式には、他の挙式スタイルにはない独特な儀式があります。
念珠授与(ねんじゅじゅよ)
仏前式の最大の特徴です。指輪の交換の代わりに、僧侶から「念珠(数珠)」が授けられます。
新郎には白い房、新婦には赤い房の念珠が授けられるのが一般的です。受け取った念珠は、左手の親指以外の4本の指にかけて(親指にはかけないのが作法です)、そのまま合掌します。
(※希望すれば、指輪の交換を追加できる寺院も多いです)
【画像:白房と赤房の念珠/alt案:仏前式で新郎新婦に授けられる白房と赤房の念珠】
焼香(しょうこう)
仏前式ならではの儀式のひとつが焼香です。新郎、新婦の順に焼香して合掌し、続いて参列者も焼香を行います。仏様とご先祖様に敬意と感謝を捧げる、仏前式の中核となる所作です。
司婚の辞(しこんのじ)
僧侶が新郎新婦に結婚の誓いを問いかけ、二人が誓いの言葉(誓詞)を述べる儀式です。これをもって結婚が成立し、僧侶から参列者へ結婚成立が宣言されます。
5. 当日の流れ(モデルケース)
所要時間は30分〜40分程度です。宗派やお寺によって順序や内容が異なるため、一例としてご覧ください。
- 入堂(にゅうどう):親族、新郎新婦・媒酌人、僧侶の順に入場し着席します。
- 敬白文朗読(けいびゃくもんろうどく):僧侶が焼香ののち、仏様とご先祖様に結婚を報告する敬白文を読み上げます。
- 念珠授与(ねんじゅじゅよ):僧侶から新郎新婦へ念珠が授けられます。
- 指輪の交換:(※行う場合。念珠授与の後が一般的です)
- 司婚の辞(しこんのじ):僧侶の問いかけに応え、新郎新婦が誓いの言葉を述べます。
- 新郎新婦の焼香:新郎、新婦の順に焼香し、合掌します。
- 誓杯(せいはい):神前式の「三三九度」にあたる盃の儀式です。お酒を酌み交わし、夫婦の契りを結びます。(※盃を交わす順序は宗派により異なります)
- 親族固めの杯:参列者全員でお酒をいただき、両家の結びつきを祝います。
- 法話(ほうわ):僧侶からのお祝いと説法を聞きます。
- 退堂(たいどう):列になって退場します

6. 衣装とマナーについてのQ&A
Q. 衣装は何を着ればいい?
基本は「和装」です。
新婦は「白無垢(しろむく)」が最も一般的ですが、華やかな「色打掛(いろうちかけ)」や「引き振袖」でもOKです。
新郎は「紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)」が基本です。 ※寺院によっては、ウェディングドレスを許可している場合もありますが、稀です。
Q. ゲストは数珠(じゅず)を持参するべき?
持参するのが丁寧ですが、なくてもOKです。
仏前式では合掌するシーンが多いため、ゲストも数珠を持参するのが丁寧です。ただし、宗派が違う場合や持っていない場合は、手ぶらで合掌するだけでも失礼にはなりません。
Q. 宗派が違っても挙式できる?
多くの寺院で可能です。
新郎新婦の実家の宗派と、挙式をするお寺の宗派が違っても、受け入れてくれるお寺は少なくありません。ただし、挙式はそのお寺の宗派の作法に則って行われます。
まとめ:仏前式は「感謝」と「絆」を形にする挙式
仏前式は、派手さこそありませんが、「ご先祖様のおかげで今の私たちがいる」という感謝の心と、「来世までも連れ添う」という深い愛情を感じられる、日本ならではの素晴らしい挙式スタイルです。
「落ち着いた式にしたい」 「家族との絆を何より大切にしたい」
そう願うお二人にとって、仏前式は有力な選択肢のひとつになるはずです。
とはいえ、「仏前式と神前式、うちの場合はどちらが合うんだろう?」「親族への説明はどうすれば?」と、いざ検討し始めると迷うことも多いもの。
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