2026.01.14

【神前式と結婚式の違い】費用・流れ・雰囲気を比較。和の挙式を選ぶ前に知っておきたい基礎知識

【神前式と結婚式の違い】費用・流れ・雰囲気を比較。和の挙式を選ぶ前に知っておきたい基礎知識


結婚が決まり、式場探しを始めると「神前式(しんぜんしき)」や「教会式」、「人前式」といった様々な言葉を目にします。


ふと、「神前式と結婚式はどう違うの?」という疑問をお持ちになることはありませんか?


言葉の定義としては、「結婚式」という大きな枠組みの中に、一つのスタイルとして「神前式」が存在します。しかし、一般的なイメージとしての結婚式(チャペルウェディング)と神前式では、大切にしている精神性や儀式の内容が大きく異なります。


今回は、神前式の基礎知識から、教会式との比較、費用の違いに至るまで、落ち着いたトーンで解説いたします。お二人の心に響く挙式スタイルを見つけるための一助となれば幸いです。


1. 言葉の定義と精神性の違い


まず、それぞれの言葉が指す意味と、根底にある考え方の違いを整理しましょう。


「結婚式」とは


結婚式とは、二人が夫婦となる誓いを立てる儀式全体の総称です。 スタイルによって、「教会式(キリスト教式)」「神前式」「人前式」「仏前式」の4つに大きく分類されます。


「神前式」とは


神前式は、日本の伝統的な宗教である神道(しんとう)の教えに基づき、神様の御前で結婚を誓うスタイルです。 明治33年、当時の皇太子殿下(後の大正天皇)のご成婚を機に広まりました。


最大の特徴は、「家と家の結びつき」を重視することです。 教会式が「個人の愛」を誓うのに対し、神前式では「数あるご縁の中で二人が結ばれたこと」を神様やご先祖様に感謝し、両家の繁栄を祈ります。


2. 【比較】神前式と教会式の具体的な違い


多くのカップルが迷われる「神前式」と「教会式」。 それぞれの特徴を比較してみましょう。




































項目



神前式(和婚)



教会式(チャペル)



場所



神社、ホテル・式場内の神殿



教会、ホテル・式場内のチャペル



衣装



白無垢、色打掛、引き振袖、紋付袴



ウェディングドレス、タキシード



誓いの対象



神社の神様(八百万の神)、ご先祖様



キリスト教の神様



雰囲気



厳か、静寂、凜とした空気



華やか、ドラマチック、感動的



参列者



本来は親族のみ(現在は友人も可の神社も増)



親族、友人、知人など幅広く



雰囲気の違い


神前式は、雅楽の音色と静寂に包まれた「厳粛さ」が魅力です。派手な演出よりも、一つひとつの所作や儀式の重みを大切にします。 一方、教会式は、聖歌隊の歌声やフラワーシャワーなど、ゲスト全員と喜びを分かち合う「華やかさ」が特徴です。


 


淡路島・伊弉諾神宮


 


3. 儀式と流れの違い


神前式には、日本古来の美しい儀式があります。 聞き慣れない言葉も多いですが、それぞれの意味を知ることで、より深く式の重みを感じることができます。




  • 参進の儀(さんしんのぎ): 神職と巫女に導かれ、新郎新婦と両家の親族が一列になって神殿へ歩む「花嫁行列」です。気持ちを整える大切な時間です。




  • 三献の儀(さんこんのぎ): いわゆる「三三九度」です。大中小の盃で御神酒を交わし、夫婦の契りを結びます。




  • 玉串奉奠(たまぐしほうてん): 神様とご縁を結ぶ意味を持つ「玉串」をお供えし、感謝と祈りを捧げます。




  • 親族杯の儀: 両家の親族一同で御神酒を飲み干し、家同士の絆を固めます。




4. 気になる「費用」の違い


結婚式を検討する上で、やはり費用は気になるポイントです。


一般的に、挙式料(神社では「初穂料」と呼びます)だけで比較すると、神前式の方がリーズナブルな傾向にあります。




  • 神前式(初穂料): 5万円〜15万円程度




  • 教会式(挙式料): 15万円〜25万円程度




ただし、神前式の場合は「衣装(着物)」や「着付け・ヘアメイク」の費用が洋装より高くなる場合があります。 また、神社から披露宴会場への移動費が必要になるケースもあるため、総額で見ると大きな差がないことも多いのが実情です。


5. 神前式が選ばれる理由


近年、改めて和婚が見直されています。選ばれる理由として、以下のようなお声が多く聞かれます。




  • 「日本人としての原点を感じたい」 人生の節目に、着物を纏い、神様に挨拶をする。その凛とした姿勢に美しさを感じる方が増えています。




  • 「家族の絆を深めたい」 「家と家」を結ぶ儀式を通じて、両親や親族への感謝をしっかりと伝えたいという想いに応えてくれます。




  • 「将来も訪れることができる」 専門式場とは異なり、神社は数十年先もそこになくなることはありません。初詣や七五三など、人生の節目ごとに帰ってこられる「心の拠り所」となります。




結びに


「神前式」と「教会式」。 どちらが良い・悪いというものではなく、お二人が「誰に感謝を伝えたいか」「どんな時間を過ごしたいか」によって最適な選択は異なります。


白無垢に身を包み、静寂の中で心を整える時間。 千年の歴史に見守られながら結ぶ夫婦の絆は、何物にも代えがたい尊いものです。


もし、少しでも「和の心」に惹かれるのであれば、ぜひ一度、神社の空気に触れてみてはいかがでしょうか。

つばさ

神社挙式・和婚ウェディングプランナー。地元にある神社の御祭神を先祖に持つ家系に生まれ、神道と関わりを持って育つ。知識や経験を活かし年間400組以上のウェデイングをお手伝いしています。伊勢神宮・靖國神社の崇敬会にも所属。この記事では神社・和婚の素晴らしさを分かりやすく伝えて参ります。