2026.02.25

和婚の招待状|デザイン選び3つのコツと書き方の基本マナー


最初の“おもてなし”|和婚の招待状で伝える、ふたりらしさと日本の心




厳かな神前式や美しい和装での披露宴など、日本の伝統美を大切にする「和婚」。その準備の中でも、ゲストが最初に結婚式の世界観に触れるのが、和婚の招待状です。




招待状は、単に日時と場所を知らせる案内状ではありません。佳き日への期待感を高め、おふたりからの感謝と歓迎の気持ちを伝える「最初の“おもてなし”」なのです。封筒を開けた瞬間に広がる和紙の温かい風合い、繊細な水引のあしらい、丁寧な言葉で綴られた挨拶。そのすべてが、おふたりが思い描く結婚式の雰囲気をゲストに届け、当日を心待ちにするきっかけとなります。




「どんな結婚式になるのだろう?」というゲストの期待に応えるため、招待状にはおふたりならではの和の世界観を表現しましょう。





  • 素材で伝える格式と温もり:友禅和紙や手漉き和紙など、手触りの良い紙を選ぶ

  • デザインで語る伝統美:松竹梅や鶴亀といった吉祥文様、家紋などを取り入れる

  • 色で表現する季節感:春なら桜色、秋なら紅葉色など、挙式時期に合わせた色合いを選ぶ




こうした細部へのこだわりが、ゲストへの心遣いとなり、結婚式全体の印象を大きく左右します。和婚の招待状作りで大切なのは、「ふたりらしさ」と守るべき「伝統的なマナー」のバランスです。この記事では、和の趣あふれるデザイン選びのコツから、知っておきたい書き方のマナーまで、おふたりだけの特別な招待状を完成させるためのヒントを解説します。




センスが光る!和婚招待状デザイン選びの3つのコツ




招待状は、おふたりの結婚式のコンセプトをゲストに伝える大切なアイテムです。「ふたりらしさ」と日本の「伝統美」を調和させ、佳き日への期待感を高めるデザインを選ぶための3つのコツをご紹介します。




1. 「和のモチーフ」で縁起の良さを伝える




古くから日本で大切にされてきた伝統的なモチーフには、お祝いの気持ちや縁起の良さが込められています。それぞれの意味を知ることで、デザイン選びがより一層意義深いものになります。





  • 松竹梅(しょうちくばい):寒い冬でも緑を保つことから「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」と呼ばれ、生命力や忍耐を象徴する吉祥文様。おふたりの末永い幸せを願う気持ちを表現できます。

  • :「鶴は千年」と言われる長寿の象徴。一度つがいになると一生を添い遂げることから「夫婦円満」の意味も持ち、優雅に羽ばたく姿は晴れやかな門出にぴったりです。

  • 水引・組紐(くみひも):人と人との縁を結ぶことを意味し、和婚に欠かせないモチーフ。結婚式では「結び切り」や「あわじ結び」など、一度結ぶと解けない結び方が用いられます。組紐もまた「固い絆」を象徴します。




これらのモチーフをワンポイントであしらうか、デザインの主役にするかで、招待状の印象は大きく変わります。







【和婚の招待状】デザイン選びのコツと気をつけたい書き方のマナー - 1



2. 「色と素材」で格式と個性を表現する




色使いや紙の質感は、招待状の格式やおふたりの個性を表現する重要な要素です。





  • 色の選び方
    白無垢を思わせる「白」や生成りをベースに、お祝いの色の「赤」や格調高い「金」を組み合わせるのが王道とされています。最近では、アースカラーやくすみカラーといった落ち着いた色合いで、モダンな印象に仕上げる方も増えています。春なら桜色、秋なら茜色など、挙式の季節感を色で表現するのも素敵です。





  • 素材と加工で差をつける
    和紙ならではの温かい手触りは、ゲストへの心遣いを伝えます。繊維の風合いが感じられる手漉き和紙や、華やかな友禅和紙など、種類によって表情は様々です。さらに、金箔や銀箔を施す「箔押し」加工を加えれば、繊細な輝きが高級感を演出し、特別な一日にふさわしい招待状になります。






3. 「結婚式のスタイル」に合わせる




招待状のデザインは、結婚式当日の雰囲気と統一感を持たせることが大切です。会場のスタイルに合わせてテイストを選ぶと、ゲストも結婚式のイメージを膨らませやすくなります。





  • 格式高い神前式や伝統的な会場の場合
    厳かな雰囲気に合わせ、白や生成りを基調としたクラシックなデザインがおすすめです。家紋をあしらったり、伝統的な吉祥文様を大きく使ったりすると、より格調高い印象になります。





  • 料亭や和モダンなホテルの場合
    会場の持つ華やかさや洗練された雰囲気に合わせ、友禅和紙や箔押しを効果的に使ったデザインが良いでしょう。伝統と現代的なセンスを組み合わせた招待状が、お祝いの席を一層引き立てます。





  • レストランウェディングやカジュアルなパーティーの場合
    おふたりらしさを表現しやすいスタイルです。モダンな書体やイラスト、ボタニカルなモチーフと和柄を組み合わせるなど、自由な発想でデザインを選べます。






知らないと失礼に?気をつけたい和婚招待状の書き方マナー




美しいデザインの招待状を選んだら、次は心を込めて文面を整えましょう。特に和婚の招待状には、古くからの慣習に基づいた特有のルールがあります。ゲストに失礼のないよう、押さえておくべき書き方のマナーを解説します。







【和婚の招待状】デザイン選びのコツと気をつけたい書き方のマナー - 2



基本のルール「句読点は使わない」




お祝い事の文書では、句読点(「、」や「。」)を使いません。これには「お祝い事には区切りをつけない」「縁が切れないように」という縁起を担ぐ意味が込められています。




文章を区切りたい読点(、)の代わりには「全角スペース」を一つ入れ、文末の句点(。)は付けずに改行するのが正式な書き方とされています。このルールを守ることで、伝統を重んじる丁寧な姿勢が伝わります。




結婚式にふさわしくない「忌み言葉」「重ね言葉」




結婚式では、別れや不幸、再婚を連想させる「忌み言葉」や「重ね言葉」の使用を避けるのがマナーです。招待状の文面を作成する際は、うっかり使ってしまわないよう注意深く確認しましょう。





  • 忌み言葉の例と⾔い換え





    • 終わる、切れる、離れる → お開きにする、結びとなる

    • 忙しい → ご多用(のところ)

    • 戻る、帰る → (披露宴から)お帰りになる





  • 重ね言葉の例と⾔い換え





    • 重ね重ね、たびたび → 深く、くれぐれも

    • ますます、いよいよ → さらに、一段と






これらの言葉は日常的に使われるものも多いため、意識して別の表現を選ぶことが大切です。




差出人の名義は誰にする?




招待状の差出人には、主に2つのパターンがあります。結婚式のスタイルや両家の考え方によって選びましょう。





  1. 両家の親の名義で出す(連名)
    最も格式高い、伝統的な形式です。親が結婚式の主催者となり、ゲストを招待する形をとります。文面には、親の名前の横に新郎新婦の続柄(長男・長女など)と名前を記します。





  2. 新郎新婦本人の名義で出す
    近年増えているカジュアルな形式です。新郎新婦が主催者となり、自分たちの言葉でゲストを招待します。会費制のパーティーなどでは、こちらの形式が一般的です。






どちらの形式にするかは、事前に両家でよく話し合って決めることが大切です。







【和婚の招待状】デザイン選びのコツと気をつけたい書き方のマナー - 3



宛名の書き方にも心を配る




宛名は、ゲストが最初に目にする大切な部分です。毛筆または筆ペンを使い、楷書で丁寧に書きましょう。ボールペンや万年筆の使用はマナー違反とされています。




敬称の付け方にも注意が必要です。





  • 個人宛: 氏名の下に「様」を付けます。

  • 夫婦連名: 夫の氏名に「様」を付け、その左に妻の名前(苗字なし)を書き添えるのが一般的です。より丁寧にしたい場合は、ご夫婦それぞれのお名前に「様」を付けます。

  • 家族宛: 世帯主の氏名に「様」を付け、お子様の名前には「くん」や「ちゃん」を付けます。小学生以上のお子様には「様」を用いるのが無難です。




これらのマナーを守ることで、ゲスト一人ひとりへの敬意と感謝の気持ちが伝わります。




心遣いが伝わる招待状で、佳き日の始まりを




和婚の招待状は、結婚式の第一印象を決める大切なアイテムです。それは単なる案内の手紙ではなく、おふたりの門出を祝い、駆けつけてくださるゲストへ感謝と敬意を伝える最初の贈り物です。




水引や伝統文様、手触りの良い和紙といった伝統的な要素に、おふたりの好きな色や季節の花などを組み合わせることで、世界に一つだけの招待状が完成します。おふたりの物語を感じさせるデザインは、ゲストの期待感を一層高めてくれるでしょう。




そして、美しいデザインとともに何よりも大切にしたいのが、古くから受け継がれてきた書き方のマナーです。句読点を使わない、忌み言葉や重ね言葉を避けるといったルールは、一見堅苦しく感じるかもしれません。しかし、これらはすべて相手への深い敬意と心遣いの表れです。差出人の名義を両家で相談したり、宛名を毛筆で丁寧に書いたりすることも、その気持ちを伝える大切なプロセスです。




おふたりの想いを込めて丁寧に作り上げた一枚は、受け取ったゲストの心に温かく響き、素晴らしい結婚式の始まりを告げてくれることでしょう。






つばさ

神社挙式・和婚ウェディングプランナー。地元にある神社の御祭神を先祖に持つ家系に生まれ、神道と関わりを持って育つ。知識や経験を活かし年間400組以上のウェデイングをお手伝いしています。伊勢神宮・靖國神社の崇敬会にも所属。この記事では神社・和婚の素晴らしさを分かりやすく伝えて参ります。